宇田法律事務所ブログ

妻(夫)に優しく~40年ぶりの相続法改正~

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こんにちは。名古屋市東区代官町の弁護士宇田幸生です。

 

今回は、今年改正された相続に関する法律のご紹介です。

 

今年7月6日、参議院で相続法に関する新しい法律が可決成立し、7月13日に公布されました。

 

新しい法律は「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」「法務局における遺言書の保管等に関する法律」という名前です。

 

主な新制度として以下のようなものがあります。

 

【配偶者の権利強化】

・配偶者居住権の創設

・配偶者短期居住権の創設

・配偶者特別受益の例外規定の創設

 

【遺言書関係】

・自筆証書遺言の要件緩和

・法務局による自筆証書遺言保管制度の創設

 

 

【その他】

・遺産分割前の預貯金払戻し制度の創設

・相続人以外の寄与による金銭請求権の創設

 

今回は、この中で、妻や夫に優しい「配偶者の権利関係強化」の法改正についてご紹介します。

 

配偶者とは夫にとっての妻、妻にとっての夫になりますが、ここでは夫に先立たれた妻の視点から説明します。

 

 

・配偶者居住権の創設(改正民法1028条~1036条)

 夫が亡くなった際、夫が所有する建物に住んでいた妻は、終身または一定期間その建物を無償で使用できるようになります。

 

 建物の権利を「配偶者居住権」と「負担付所有権」に分け、一つの建物を分離して相続できることになりました。

 

 配偶者居住権は、所有権ではないため、建物を貸したり売ったりはできませんが、建物の所有権を相続しなくても引き続き建物に住み続けることができるというメリットがあります。

 

 また、建物全体を相続する訳ではないため、相続時の評価額も抑えることができます(建物全体としての相続評価額は100%でも、例えば建物所有権は60%、配偶者居住権は40%等の割合で評価されることになります)。

 

 もちろん、他に預貯金等の相続財産があれば、妻はさらに相続分の範囲内で相続することも可能となります。

 

 

・配偶者の短期居住権(改正民法1037条~1041条)

 夫が亡くなった際、夫が所有する建物に住んでいた妻は、遺産分割が確定した日まで(ただし、遺産分割が確定した日が夫が亡くなってから6ヶ月を経過する日より前の場合は、夫が亡くなってから6ヶ月を経過する日)までその建物に無償で住み続けることができる権利です。

 

 

・配偶者特別受益の例外規定(改正民法903条)

 もともと夫が生前に妻に自宅を贈与していた場合、遺産の前渡しがあったてものとして取り扱われ、妻は特別受益として遺産分割で受け取る財産が減らされることになります。

 

 しかし、新制度では結婚して20年以上経過している夫婦の場合には、妻が夫から自宅の贈与を受けたりした場合でも、特別受益として取り扱わないこととなり、遺産分割で受け取れる財産が減らされないで済むこととなります。

 

 

・実施日

 改正された法律は、原則として平成30年7月13日から1年を超えない範囲内で政令で定める日から施行される予定です。

 

 なお、今回ご紹介した配偶者居住権や配偶者短期居住権については2年を超えない範囲内とされています。

 

 

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